たとえば、オーブンやミキサーなどの厨房機器、型などの調理道具などは、通常の飲食店同様に必要です。パン屋さんが少し独特なのは、ディスプレイや販売のための道具です。トレーやトングなどを多数そろえる必要があります。今回は、このパン屋さん特有の道具についてご紹介しようと思います。パン屋の開業を考えている方の参考になれば幸いです。
パン屋さん特有の道具の数々
パンを陳列するために必要なディスプレー用トレーやお皿のほかに、選んだパンを運ぶためのトレーとトング、最近増えている、イートインスペースで使うお皿、ドリンク用のカップやグラスなども必要です。
ディスプレー用トレー
お客様の目に一番多く触れる道具ですので、使い勝手だけでなく、見た目も大切です。お店のコンセプトや雰囲気に合わせて、しっかりと選んでください。パンの種類によっても変わります。
よく使われるのはプラスチック製のトレーですが、籐製や樹脂製のカゴ状のものも人気です。木製のスノコを使っている店もあります。
バゲットや食パンなど、焼き立てのパンを提供する場合は、空気が循環するように、カゴ状、スノコ状のものがおすすめです。一方。総菜パンや菓子パンなどは、具材が落ちて棚を汚すことのないようにトレータイプを使用することが多いです。
お客様がパンを運ぶためのトレーとトング
軽くて重ねやすい樹脂製のトレーが一般的です。最近は、買い物かごのような取っ手が付いたトレーもあります。トングは開いた状態で、一番大きなパンが掴めるトングを用意しましょう。
トレーの枚数は、来店予想人数の倍以上の枚数を用意しておいた方がいいです。トレーやトングは消耗品ですので、定期的に交換が必要です。
近年は、コロナ対策で、すべてラッピングして陳列するという店も増えています。この場合はトングの使いまわしを避けて、手で取ってもらうスタイルにしている店もあるようです。また、ケーキ屋さんのようにショーケースにパンを陳列し、ショーケース越しにパンを選んでもらう方法を取っている店もあります。
コロナ対策だけでなく、人員やオペレーションを考慮して、販売方法を検討する時代になっているのかもしれません。ショーケース方式は、高級店イメージを作れますので、単価を高めにしている店も多いようです。
イートイン用のトレー
パン屋さんがイートインサービスをする場合、ほとんどがセルフサービススタイルのオペレーションを採用しています。そのため持ち運びしやすいトレーが必要です。
トレー選びのポイントは、「テーブルの大きさに合わせる」こと。テーブルもそれほど大きくない場合が多いので、2人がけのテーブルに2枚置けるサイズかどうかを確認して選んでください。また返却口のスペースに合わせることも重要です。返却口に数枚しか置けなくて、すぐにトレーがたまってしまうのは、困りますから。(返却口の造作をトレーのサイズに合わせて作ってもいいですね)
ドリンク用のカップ
イートインの場合、飲み物の準備も必要です。種類を少なめにできると、オペレーションが簡単になります。HOT用は、紅茶もコーヒーも兼用できるカップにすると便利です。また厚手のカップにすると、割れづらく熱さが伝わりづらいのでおススメです。COLD用は割れない樹脂製や強化ガラスを使用した厚手のグラスがおススメです。
カップにはソーサーを合わせることが多いですが、マグカップスタイルですと陶器のソーサーではなく紙のソーサーを使ったり、ソーサーなしでオペレーションする店も多いようです。
シュガーポットやミルクポット、スプーンも必要になりますが、最近はスティックシュガー、コーヒーフレッシュ、使い捨てのスプーンなど、他の人との接触が少なくできるものを使用する店も増えてきました。ドリンクカップ自体を使い捨てにしている店も多いです。