中華料理店の開業前に知っておきたい「食器選びの秘訣」

中華料理店に限らず、飲食店をはじめるときに、食器で悩まれる方は多いと思います。コンセプトや客単価などで、選ぶ食器は変わります。つまり、どんな店を作るのかをまず決めて、それから食器選びという順番を守らないと、イメージに合わないちぐはぐな食器を選んでしまうことにもなるということ、忘れないでください。

町中華のランチを考える

まずは、リーズナブルな客単価の、いま流行りの「町中華スタイル」のお店の場合を考えましょう。

食器選びの前に決めておきたいのは、ランチのみのセット販売を行うかどうか。ランチセットを提供するなら、ご飯茶碗にスープ椀、メイン料理用の中皿と付け合わせやサラダ用のお皿が席数以上は必要になります。またトレーを用意して、1回出しができるようにすると、サービススタッフの手間が省けていいですよね。

洗い物をするスペース、食器洗浄機があるかないか、洗い場用のスタッフが確保できるのか、などによって、購入枚数は変わりますが、目安としては、席数の1.5~2倍は必要だと思います。

夜営業に必要な食器は?

夜用の器は、予算を少しでも抑えるためにも昼用の器を活かしつつ、アルコール提供時用のおつまみ用のお皿、何人かで取り分けスタイル用の大皿とそれに合わせての小皿が必要になります。

大皿はテーブルのサイズにもよりますが、4人掛けなら3品は出したいですよね。そうすると、最低でもテーブル×3枚は大皿が必要です。小皿は最低、テーブル×4枚ですが、料理で小皿を変えて使うことも考えると、その2~3倍くらいは準備しておくべきかと思います。小皿をテーブルの片隅に重ねて置いて、自由に使えるようにしている店も多いですよね。その場合は、セッティング時に人数分の2倍は置いておいた方がいいですね。

中華料理店の食器の中で一番準備枚数が多いのが、この小皿です。ランチセットのサラダ用などでも使えそうなお皿を選ぶことをおススメします。

SNS時代の食器の選び方

食器カタログを見ると、どのメーカーも同じ柄や模様でさまざまなスタイル、大きさの食器をシリーズとして展開しています。このシリーズ物から、各皿や椀などを揃えると、デザインも統一できて、お店としての主張ができるかと思います。

今はSNSの時代です。お客様が写真に撮ってアップしてくれた時に、お店の名前が広まるように、ロゴや店名を入れておくと効果抜群です。

高級中華で行くなら、色や見た目はさらにこだわりたいところ。一般的には、高級感を伴う黒が選ばれることが多いように思います。しかし、差別化も含めて、淵だけ色が違う器や、石の表面のようにごつごつした模様があるものなど、少し特徴のある器を選ぶのもSNS時代には効果的かもしれません。和風の器をあえて使うのもおしゃれなのではないでしょうか。

また、どんな料理にも共通で使えるお皿を用意するのが基本だと思いますが、この料理にはこのお皿を専用に使うと、決めるのも面白いと思います。

麻婆豆腐などは、土鍋を熱して提供するスタイルをとっている店も増えてきていますし、最近は鉄鍋で出す店もあるのですが、これは見た目のインパクトだけでなく、ジュージュー焼ける音や、立ち上る香りも楽しめるグッドアイデアだと感心しました。この場合はレンゲやトンスイも必要になりますね。

食器選びの成功の秘訣

ここまで書いて、改めてお店のコンセプトが大切だと感じました。どんなお客様をターゲットにしたいか、客単価はいくらぐらいを想定しているのか、メインのメニュー、売りにしたいメニューは何か、そういうことをしっかりと考えておくことが、食器選びの成功の秘訣と言えるのではないでしょうか。

悩みの多い食器選びは、テンポスのスタッフにお気軽に相談してください。厨房機器や店づくりの相談と一緒に、お皿の打ち合わせもさせていただければ、お気に召す商品のご提案ができると思います。テンポスのスタッフが一緒に選び、アドバイスをさせていただきます。