今回は「和食」の飲食店で調理道具を揃える場合、どのくらいの予算、数量、納期などがかかるのかをテーマでご紹介させていただきます。
これから開業を考えている方、新店を予定している方はぜひ見てみてください。
予算はどのくらいかかるの?
実際1店舗分の調理道具を揃えるのにどのぐらいかかるのかをお話いたします。しかし、お店ごとに使う調理道具も数量も違うためどのように予算だてをするか気になる方もいると思います。その際席数が必要になってきます。席数といままでテンポスでご購入していただいたデータをもとに作成した「オープンリスト」を組み合わせてご紹介いたします。オープンリストとは業種別に1店舗当たり何がどのくらいの数必要になるのかをリスト化したものです。
今回はオープンリストと和食屋さん20席と40席でご紹介させていただきます。
和食屋さん20席新品の場合、調理道具類約30万、水場、清掃用品、ユニフォーム類、約7万、ホール備品類、約9万、合計約50万円です。
40席新品の場合、調理道具類、約45万、水場、清掃用品、ユニフォーム類、約9万、ホール備品類、約15万、合計約70万円です。
和食店に必要な調理道具を紹介
ここからは、【特に必要な調理道具】【買い忘れがちな調理道具】【あると便利な専用道具】にスポットライトを当てご紹介します。
特に必要な調理道具
<鍋類>
段付き鍋
「別名:料理鍋」 鍋の底よりも上部の直径が広い。段差がある為、吹きこぼれしにくい特徴がある鍋です。「オープンリスト」では、軽くて熱伝導の良いアルミ製を掲載しています。
ステンレス製をお探しのお客様にはカタログで商品をご確認いただきながらご案内することが可能でございます。
おススメ使用方法:煮込み・煮つけ、汁物
※せいろを使うことで蒸し物料理も可能です。
雪平鍋
底が丸く、胴が上に広がるような形状。薄手で軽い鍋ですが、「槌目」を付けることで、「耐久性」「熱伝導性の高さ」といった特徴を兼ね備えたお鍋です。「アルミ」「ステンレス」「銅」で作られたものが主流となっております。
アルミ最も一般的で軽く扱いやすい。他の素材に比べ、酸・塩分に弱く、焦げ付きやすい特徴があります。
ステンレス:耐久性があり、さび・焦げに強く、使用前の油ならしが不要。アルミと比べると重さと熱伝導率の悪さを感じます。
銅:熱伝導はアルミ・ステンレスに比べとても良いです。手入れ大変高い
使い道は幅広く、茹でる煮るはもちろん、炒める、蒸すといった多様な調理法に適している。
揚げ鍋
厚み・深さがともにある鍋を使うのがいいとされています。揚げ物に適した量の油を入れることができ、また揚げ物に適した温度に保てる畜熱性が大事だからです。その条件をクリアするなら、やはり揚げ物専用に作られた天ぷら鍋が最適といえます。
☆今回は割愛しましたが、寸胴・半寸胴鍋といったお鍋も仕込み量や用途によって、ご購入を検討ください☆
<フライパン・炒め鍋>
フライパン
炒め鍋と比べると、底面が広く浅い作りになっています。深型のフライパンの場合、深さはありますがやはり底面積が広い作りになっています。
フライパンについては下記に詳しくまとめています。ご参考ください。
炒め鍋
先ほどと逆にフライパンと比べると、側面が丸みを帯び、深さがあります。
中華鍋(北京鍋)と似たつくりになっています。
野菜炒め・チャーハン・焼きそば・中華料理等の料理に向いています
IHをお使いの場合は『IH使用OK』の表記があるものをお選びください。
※ステンレス製でもIH非対応の商品がございますのでご注意ください。
<混ぜる・水を切る道具>
泡立
生地の用意や卵を混ぜる際には必要です。最大の特徴は混ぜながら空気を食材に含ませることができます。
ボール
浅いボールと深いボールがあります。唐揚げのような食材を漬け込む仕込みには浅いものが、液体を混ぜる際には深いものがおすすめです。
ザル、タフストレーナー
こす、すくう、野菜・お米の水切といった用途で使います。お買い上げの際は底の形や、持ち手、網目の粗さに注意してお選びください。
<切る道具>
包丁
ペティは果物の皮を剥いたり、小さな食材を切ることに適しています。
出刃は魚を骨ごと、ぶつ切りにできる刃が分厚い包丁です。
刺身包丁、関西では柳刃と呼ばれる包丁です。刃が長く薄いのが特徴で、その名の通り、お刺身をひくことに向いている包丁です。鋼素材は錆びやすく、お手入れも大変な為、慣れないうちはステンレス包丁のご使用をおすすめ致します。
詳しくは下記をご覧ください
シャープナー(砥石)
粗目~細目があります。粗目は形成用、細目は仕上げ用です。表裏一体型になっている物や、刃を隙間に入れ引くだけで研ぐことができる商品があります。
詳しくは下記からご覧くださいませ!
マナ板
→切る道具ではありませんが、包丁を使う際必ず必要になるため一緒にご紹介致します。
大きさ、厚さ、形、色様々な商品があります。積層タイプのマナ板は衛生的にお使いいただけますが、使った面を剝がすためマナ板自体がだんだん薄くなっていきます。
色付きマナ板のご使用や側面にカラー加工を施した商品をご使用いただくことにより、上に乗せる食材に依っての使い分けが可能です。
<調理・盛り付け用の道具>
スープレードル、横口レードル
汁物の盛り付けに必要です。横口レードルは左利き用もございますので、必要に応じてぜひご検討ください。
盛箸、菜箸
盛箸は持ち手が太く、先が細くなったつくりの為、盛り付けの際にとても便利です。重箱のような容器にお料理を詰める際に活躍すること間違いなしです。
菜箸は料理中にとてもよく使うお箸です。盛箸と違って食事をする箸を長くしたような箸です。混ぜる・伝わせるなどの使い方もできます。
買い忘れがちな調理道具
オープン前にたくさん商品を買った後、いざお店がオープン。
「これがたりない!」「買い忘れてしまった!」といったことはよくあります。
そんな事態を防ぐためにご参考頂ければと思います。
ロート、水マス
出汁や水、粉類を別の容器などに移すときにあると便利です。
タイマー
1~2個は買うお客様が多くいますが、3~4個ぐらいあった方が便利なシーンは多いです。1つのタイマーで3つの時間を測ることができる商品もあるので、用途・使い勝手に合わせてお選びください。
卸金、鬼おろし、鮫皮おろし
薬味や野菜のすりおろしに使います。商品を置いているお店が多くあり、いつでも手に入りやすい為、買い忘れることがあります。鮫皮おろしはワサビをおろすことに最適です。インターネットでも手に入りますが、店頭に置いているお店は少ない為、買い忘れにご注意ください。
クッキングスケール
作り置きや食材の小分けの際、必要です。形の種類があり、丸洗いができる商品もあります。
揚げ物用温度計
揚げ物は温度でおいしさが変化するため、とても重要です。揚げ鍋のフチに引っ掛けて使う商品もあるため、ずっと持っている必要もありません。
着火ライター
ガス機器の種火を起こす際に必要な場合があります。火口が長いタイプの場合、狭い隙間でもお使いいただけます。
みそこし、だしこし袋
汁物を作る際、必要です。
缶切
いざ、使いたいときに無いと困るものです。ソムリエナイフなど多機能な商品もございます。
蓋付半胴瓶(半胴かめ)
漬物やタレなどの塩分が強い食品の長期保存にぴったりです。
皮ムキ、料理バサミ
アルバイトさんがいらっしゃる場合、包丁に比べ怪我のリスクを減らすことができます。
ガストーチバーナー
あぶりをする際に便利です。お客様の前での料理パフォーマンスにもお使いいただけます。
スパテル
混ぜたり、いためたり。形や長さによって様々な用途に使えます。穴明き・穴無タイプがあります。
あると便利な専用道具
箇条書きでまとめました。
今回ご紹介する商品は一部となりますが是非ご参考ください。
蒸し物関係:セイロ、セイロ用鍋、蒸器、蒸し用敷き紙
バット、保存関係:システムバット、調味料入バット、角バット、バット用アミ・蓋、キッチンポット、ジャンボキーパー、調味缶、ディスペンサー
水切関係:ザルコン、野菜水切り
盛り付け関係:トング 、レモントング、ハケ
お寿司関係:飯切り、巻スダレ
魚介類関係:魚串、オイスターナイフ、目打ち、骨抜き、ウロコ取り器、カニ剥き、クロス焼(焼つづみ)
麺類関係:そば揚、麺箸
揚げ物関係:オイルポット、天カス入、角型フライヤー、油コシ、天紙、揚箸、粉箸、揚げ物用温度計
お酒関係:日本酒保存器具、ワイン保存器具、ロングマドラースプーン、ポンプディスペンサー
その他:玉子焼(関東・関西)、ギンナン割・塩分計、アイスクリームデッシャー
終わりに
いかがでしたか。今回ご紹介したものは調理道具の「ほんの一部」にすぎません。お店の経営状況、従業員の作業の様子を見て必要な物を是非ともご用意ください。商品がわからない場合は
「こういった作業をする道具はありますか」「こんな形の商品はありますか」など、お気軽にお問い合わせください。テンポスバスターズの店舗に御来店の際も店内商品やカタログでご案内いたします。