ユニフォームによく用いられる素材とは?

衣食住という言葉がある通り、着るものは生活していく中で、重要視される中の1つになります。着心地がよければ、仕事も明るくこなせそうですが、着心地が悪いと、それだけで気がめいってしまいます。今回は、飲食店向けのユニフォームの素材としてよく用いられる 綿(コットン)とポリエステルについて詳しく解説していきます。皆様が普段お洋服をお選びになる際にもお役立ていただける情報になれば嬉しいです!

着心地や使いやすさで選ぶなら綿

綿とは、植物の「ワタ」から採取される繊維のことです。その肌触りの良さと吸湿性、保温性に優れている点から、古くから世界中で衣服に使われている素材です。天然繊維のなかでは耐久性にも優れています。また、綿は帯電しにくく、静電気が起こりにくいため髪の毛やホコリが付着しにくくなっています。さらに、綿の大きな特徴のひとつに「熱や火に強い」というのが挙げられます。火を扱う厨房などで着用されるコックコートに綿100%のものが今でも広く流通しているのはこの理由からです。一方で、綿は繊維の構造的に水分を含みやすく、洗濯後にどうしても乾きにくくなるというデメリットがあります。また、シワになりやすいという性質も持ち合わせています。

お手入れが簡単なポリエステル

化学繊維のポリエステルは、石油を原料として1941年に開発された合成繊維です。しかしその歴史の浅さとは裏腹にその耐久性が評価され、今日では様々な繊維製品の素材としてなくてはならない存在になりつつあります。ポリエステルには次のようなメリットがあります。1つ目はシワになりにくく型崩れしにくいということ。また、家庭洗濯では色落ち、色移りといった心配もほとんどないため、総じて綿と比較してみるとお手入れが簡単と言えます。そして何と言っても乾きやすいというのも大きなポイントです。では、ポリエステルのデメリットは何かと言いますと、火に弱いということです。上述のように、ポリエステルの原料は石油のため、火がつくと繊維が溶けていってしまい大変危険です。アイロンをかける際なども品質表示タグを確認し、正しい方法で実施しないと糸が溶けてテカりの原因になってしまいます。そのため火を扱う場ではできればポリエステル素材は避けるのが無難です。とは言えその扱いやすさから、近年ではそんなに火を使わない調理場であればポリエステル素材のユニフォームを使用するケースも少なくありません。

綿とポリエステルの良いとこどり、T/C素材

綿とポリエステル、この2つのハイブリッド型がT/C素材と呼ばれる素材です。T/Cはずばりポリエステル(T)と綿=コットン(C)の略です。(ちなみになぜポリエステルがTなのかといいますと、昔はテトロンと呼ばれていたことの名残です。)T/C素材は綿とポリエステルのメリットをバランスよく持ち合わせていると言えます。ただ、どうしても100%の綿、ポリエステルと比べると劣る部分もあります。

いかがでしたでしょうか。綿とポリエステル、そしてT/C素材の3つにフォーカスして素材の特徴について解説しました。それぞれメリットとデメリットがあることは分かっていただけたと思います。ご着用いただく環境や目的に応じて適切に素材をお選びいただくことが何より重要です。さらに言うと、実は素材の違いだけでなく、同じ綿、ポリエステルでも、さらにその繊維を使って生地をどう織るか、編むかによっても生地を触った感触が全くといっていいほど異なるのです。極端な例を挙げるとシャツとシフォンブラウス、秋冬用のニットでは全然違いますよね。可能であれば実際に手に取って感触を確かめることもオススメです。

取材協力:KAZEN WLD株式会社