造作譲渡契約で気を付けたい事~Par2~
2017年04月04日
前回に引き続き、造作譲渡契約についてです。
教えてくれたのは、飲食店専門の不動産仲介を行う、
テンポスフィナンシャルトラストの、北村さんです!
Q:造作譲渡の相場はいくらですか?
A.北村
一概に造作譲渡の相場を申し上げることはできません。
造作譲渡は、造作・設備・機器等の動産(以下、「造作等」)の
売買契約ではありますが、不動産の賃貸借契約締結を前提としております。
その為、店舗物件そのものの価値(商圏規模/質・立地の良し悪し・
賃貸条件)に大きく左右されます。
ですので、仮に3つの物件(A・B・C)があって、中身は
同じ造作設備機器だとしても、物件そのものの価値によって、
Aの場合は1,000万円で売買され、Bの場合は300万円で売買され、
Cの場合は0円でも造作等の買い手(=不動産の借り手)がつかず、
スケルトン戻しの上で貸主に明渡しをせざるを得ない。
という事も有り得ます。
つまり、「場所の権利」のような要素が多分に含まれます。
造作等の買い手としては、出来れば売買金額を低く抑えたい
わけですが、どうしても手に入れたい物件であれば、
場所代として、動産の価値以上の金額を支払わざるを得ないわけです。
一方、造作等の売り手としては出来る限り高い金額で取引したい
わけですが、需要に見合わなければ金額を下げざるを得ません。
結局は需要と供給のバランスで、最終的に売買金額が決定いたします。
当然、需給バランスはタイミングによっても変動いたします。
例え同じ不動産物件で同じ造作等だとしても、1年前と現在では、
経済情勢や人の流れの変化等で、需給バランスは変動いたします。
弊社としては、造作等の売り手と買い手双方が納得できるように
調整していき妥結点を見出し契約締結に至らしめるという事が、
課せられた使命だと認識しております。
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このように、造作譲渡代金は、造作の価値に加え、
場所代の要素も含まれることが多いので、 単純に造作代金が
高いから物件の価値が高い、 低いと判断することは難しくなってきています。
物件選びは、飲食店オーナー様の一生を左右するとも言えるものです。
そんなオーナー様のお役に立てるよう、テンポスも全力で
バックアップさせて頂きたいと思います。
[飲食店繁盛研究所]