飲食店の新規開業において「どんな料理を」「いくらで」「どのように提供するか」は大事なポイントです。

今回は、メニュー開発の流れとポイントについてご紹介したいと思います。

食材の柱を決める

メインメニューで使う食材の柱をいくつかピックアップします。そして、それぞれの食材がどのような料理に転用できるかを考えます。転用できるメニューを挙げていくことにより、だんだんと全体のメニュー構成も固まっていくはずです。共通する食材を使うことは、歩留まりを上げていくことにも繋がります。

しかし、お客様を喜んでもらえるようにと、できるだけメニュー数を増やしがちですが、品数が増えるほど、オペレーションに悪影響を与えたり、余剰在庫を持ってしまうリスクもありますので気をつけましょう。

価格の決め方

まずは、近隣地域の市場調査をしましょう。焼き鳥1本いくらで提供しているか？、1本あたりのポーションはどれぐらいなのか？、クオリティーは高いか低いか？等を基準に、同業店や客単価が近いお店を中心に調査をします。そして、地域の相場に沿って価格を決めていきます。なるべく相場よりも安く設定することを心掛けますが、それが出来ない場合は、クオリティーでどのように差別化できるかをしっかりと考えましょう。

看板メニューを持つ

看板メニューを考える際は、「売れ筋メニュー」「稼ぎ頭メニュー」のバランスを考えなければいけません。200％もの原価率をかけた看板メニュー（売れ筋メニュー）がありながら、各店のトータル原価率は30～34％ほどに抑えられるようにする等のメニューバランスが大切です。

次に、商品単価UPのアプローチ方法についてご紹介したいと思います。

⑴商品力を高めて価格アップ

サーロインステーキであれば、添え物のレモンを自家製バルサミコ酢へ変更する、サイコロ型カットをスライスに変える、調理方法を変えることで、商品価値を高め価格をアップすることができます。

⑵ポーションダウンで価格アップ

寿司の「握り盛り合わせ（780円）」を「握り一貫（180円）」にする等して単価アップを図ります。皿単価は下がりますが、1人や2人客のニーズを汲み取れることで、結果的に注文数が増え粗利益額の増加にも繋がります。

⑶盛り付けチェンジで価格アップ

黒、赤、白、黄色、青（緑）の五行色を意識して食器選びや盛り付けをすることで、高級感を演出することができます。真っ黒なお皿の上に赤身肉、緑色の笹を入れて盛り付けにアレンジ加える等です。

いかがでしたか？

開発したメニューは、定期的に販売数をチェックして改善していくことが大切です。繁盛店をいくつも運営する（株）一歩一歩さんでは、お客様が注文しても最後まで食べられなかった料理毎の記録を残し、次回のメニュー分析と改善に活かしているそうです。

また、9品の宴会コースの1品目を「肉味噌きゅうり」から「7品目の箱膳」に変更したことで、宴会コースの利用率を10%から23%まで上昇させるなど、様々なメニュー改善方法も成功させています。

皆さんも是非ご参考にされてみてください！